2018/10/30
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嫌いなものを好きになる |
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生徒と話をしていると、多くの生徒が 「勉強は嫌いです。だからやりたくないんです」 と口にします。 まあ、それ自体はよくわかります。 大人でも、子どものころは勉強よりも部活やスポーツ、ゲームや遊びが好きだった、 という人の方が(私も含めて)圧倒的に多いのではないでしょうか? そういう生徒に、「つまらないのに、どうして塾に通ってまで勉強してるの?」 と聞くと、 「そうしないと高校(大学)に行けないから」 という答えが返ってきます。 では、「どうして高校や大学に行きたいの?」 と聞くと、 「将来良い仕事に付けないから」 という答えが返ってきます。 以下、会話形式で。 私「でも、つまらないことを続けて仕事についても、その仕事楽しめるの?」 生徒「分からないけど、どうせ仕事ってつまらないんでしょう?」 私「それはその人次第だよ。『楽しい』と思って仕事をしている人もいるよ。」 生徒「その人は、特別運がいいか、才能に恵まれてる場合でしょ?」 「例えば野球の大谷とか芸能人とか」 私「そうだね。そういう人たちは、確かに特別な才能があったんだろうね」 「君は好きなことないの?」 生徒「ゲームは好きだけど、ゲームでは食べていけないし…」 私「まあ、そうだろうね。趣味としてはいいけどね」 …よくありがちな会話ですね(笑) 好きなことでお金を稼げるようになる、これは素晴らしいことです。 ただ、同時にハードルも高いです。 野球やサッカーのようなスポーツ、あるいは芸能界や動画配信… 多くの子どもたちが憧れることと、現実的な職業が合致していない… これはある意味不幸なことかもしれません。 子どもが大人になることを楽しみにできない社会の未来が明るくなることは、まずあり得ないからです。 好きなことに打ち込んで、結果として仕事にして世の中に貢献する、 これは素晴らしいことです。 ただ、「嫌いなことや一見つまらないことを好きになる」スキルが身に着けば、 同じくらい素晴らしい財産になるのではないでしょうか? 好き、まではいかなくとも「嫌なことの中に何か楽しみや良さを見いだす」ことができる人は、おそらくどんな仕事についても、どんな環境にあっても人生を楽しめると思います。 小中高生の皆さん、今、勉強が嫌い、退屈、というのは、上記のような姿勢を身に着けるための絶好のチャンスでもあります。 今後何十年も人生を楽しめる「ワザ」が手に入るとすれば、ワクワクしませんか? |
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