2018/9/26

魚を与えるより釣り方を教える

表題のような言葉を耳にしたことはありませんか?
 
そのままですが、
「お腹がすいた人に魚を与えるよりも、釣り方を教えたほうが長い目で見ればその人にとってプラスになる」
というくらいの意味になります。
 
確かに、その時は魚を上げたほうが喜ばれるでしょう。
お腹がすいているときに釣竿を渡されても、腹の足しにはなりません(笑)
ただ、魚は、その場で食べて消化したら何も残りません。
 
塾に置き換えて考えてみると、次のようなシーンが思い浮かびます。
 
「単語の意味が分からない」という生徒に
「それは〇〇という意味だよ」と教えるのと
「辞書の使い方を教えるから自分で調べなさい」
ではどちらがその生徒のためになるのでしょうか?
 
実は、短期的にはさっと教えてしまうことで時間効率がUPすることもあります。
ですので、実際には一概にどちらが良いとは言い切れません。
ただ、生徒の成長を促すという観点からみると、後者にはむしろ次のようなメリットがあると思います。
 
前者を繰り返せば、
「何か分からないときには〇〇先生に聞けばすぐに答えてくれる」
という認識が生まれます。
もちろん、それは塾に通ったり家庭教師についたりするならば一つのやり方です。
それで問題が解決するならば、機会を利用しているだけで、何も悪くありません。
ただ、いくら教え方が上手くて信頼できる先生でも、一生その先生に習うわけにはいきませんし、他者の存在を前提としている点で何らかの「依存」が生じます。
 
それに対して後者は
「自分で何とかしなければいけないな」
という状況が前提になります。
自分で何とかできる環境があれば、自分で何とかする。
また、そういった環境を模索する。
そして自力でどうしても困難な時に、周囲の頼れる人に相談する。
すなわち、自力で何とかしようという「自立」の精神がはぐくまれます。
この「自立」精神を身に着けられることが、「魚の釣り方を学ぶ」最大の効果ではないかと思う次第です。